心と身体は、互いに強く影響しあっています。インドや中国などの伝統的東洋医学は、本来「心身一如」の立場から、病気を全体的にとらえていました。「病気」よりも「病人」を、個々の器官よりも患者の全体像を、理解していこうという動きが生まれ、この動きの中から「心身医学」と呼ばれる学問が誕生してきました。本研究会では「心身医学」の世界的権威の久保千春教授（九州大学総長）をお迎えし、心と身体のケアに関する最新の知見を学びます(講演２)。

加えて、高橋徳（クリニック徳院長）は愛と健康との関連性について、オキシトシンの生理作用から視点から解説します（講演１）。2月11日（日曜日）の午後、JR名古屋駅前のウインク愛知でお待ちしています。

https://jhcjapanhealthcreation.wordpress.com/

日時：2018年 2月11日（日曜日）　午後１時半−５時

会場：ウインク愛知２階大ホール

講演１

『愛すること, 想うこと,　そして祈ること-オキシトシン健康法-』 ウイスコンシン医科大学教授・クリニック徳院長　高橋徳

オキシトシンは神経ホルモンの一つで、主に脳内の視床下部で生成されます。オキシトシンが分泌されるとストレスに適応することができ、心身への悪影響を和らげてくれます。加えて、オキシトシンは 「思いやり」や「信頼」などの感情を促し、私たちの人間関係を築くのに重要な役割を果たしています。「人を思いやったり」「人の幸せを祈ったり」するような積極的な人との関わりを持つことは、脳内のオキシトシンを増加させ日常のストレスに負けない心身を保つために重要です。

講演２

「聴くことの力　-心身相関のエビデンス-」　日本心療内科学会理事長・九州大学総長　久保千春

現代社会は、政治経済社会の不安定、国際化、情報化、少子高齢化などにより、ストレスが増加し、ストレス関連の病気が多くなっています。さまざまな病気の治療には、心身両面からの全人的治療が重要であり、良好な患者-治療者関係を基に、身体療法、生活指導や心理療法が行われます。心理療法では面接が基本であり、「聴く」ことが大切です。心身相関、全人的医療、心理療法、「聴く」ことの心身に及ぼす影響などについてお話します。

共催；第５９回日本心身医学会総会（会長；金子宏）

（２０１８年６月８−９日；名古屋国際会議場）